人名の基礎
中国人名の「字・号・称号」とは?
同じ人物が「諸葛亮」「孔明」「臥龍」と呼ばれるのは、名前が三つあるからではありません。呼び名の種類を分けると、古典の人物関係が見通しやすくなります。
漢字の読みを調べる名の横に、別の呼び名がある
字(あざな)は、成人後に名とは別に用いられた呼び名です。号は本人の志向や居所などに結び付く別称として用いられました。称号は官職、尊称、通称など幅が広く、時代や資料によって分類の仕方も異なります。
人物表では「姓名」「字」「号・別称」を別列にします。「孔明」を諸葛亮の名の一部として連結しないことが基本です。
姓名・字・号の例
日本語でよく知られる読みを添えています。
| 人物 | 名 | 字 | 号・別称 | 日本語読み |
|---|---|---|---|---|
| 諸葛亮 | 亮 | 孔明 | 臥龍(別称) | しょかつ りょう/こうめい/がりょう |
| 李白 | 白 | 太白 | 青蓮居士 | り はく/たいはく/せいれんこじ |
| 杜甫 | 甫 | 子美 | 少陵野老 | と ほ/しび/しょうりょうやろう |
| 蘇軾 | 軾 | 子瞻 | 東坡居士 | そ しょく/しせん/とうばこじ |
| 白居易 | 居易 | 楽天 | 香山居士 | はく きょい/らくてん/こうざんこじ |
作品では呼び名が切り替わる
会話では字、地の文では姓名、後世の解説では号というように、同一人物の表記が変わります。最初に別名欄を作っておけば、新人物と誤認しにくくなります。
現代人へそのまま当てはめない
字や号の慣習は時代と社会層によって異なります。古代から近代まで同じ規則が一貫していたと考えず、個別人物は辞典や研究資料で確認します。
「号」と「称号」は同義ではない
号は別名の一種ですが、称号は爵位・官職・尊称なども含み得る広い言い方です。資料に合わせて列名を選び、判断できないものは「別称」として保留すると安全です。
確認に使った資料
続けて読む
読めない漢字を一字ずつ確認
人物名や号に使われる漢字の日本字形と読み候補を確認できます。